ヘンリー・パスポート・インデックスは、ビザ事前申請なしで入れる渡航先の数を測る指標だ。2026年、シンガポールが約195の渡航先で首位、日本はそのすぐ後ろにつけ、190近い渡航先を開放している。この記事では、指標の算出方法、トップ10、日本やポルトガルの位置づけ、そして本当の意味でより強いパスポートを手に入れる方法を解説する。
16 分読
毎年、だいたい1月になると似たような見出しが流れる。「世界最強のパスポートはこれだ」。たいていはシンガポールか日本だ。ボルドー色や紺色の冊子の写真、色分けされた世界地図、そして一部の国民は地球の合鍵をポケットに入れて生まれてきた、というぼんやりした感覚が添えられる。
この見出しの出どころがヘンリー・パスポート・インデックス、この分野で世界で最も引用されるランキングだ。2006年から存在し、市民権コンサルティングのヘンリー・アンド・パートナーズがIATA(国際航空運送協会)のデータをもとに発表している。199のパスポートを227の渡航先に対してランクづけする。
だが、この数字はほぼ必ず誤読される。人は「強いパスポート」を、豊かな国、好感を持たれる国民、いい暮らしのことだと思い込む。違う。指標が測るのは、狭く限定された一つのことだけだ。それが何を測り、何を無視しているかを正確に理解すれば、日本がどこにいて、何をすべきかの読み方がまるごと変わる。
この記事は、誇張を抜きにして2026年のランキングを解きほぐす。何なのか、どう算出されるのか、誰が頂点にいるのか、私たちはどこにいるのか。そして本当に大事な部分。代行業者の甘い約束に乗らずに、より強いパスポートを手に入れる方法だ。
O que o Henley Passport Index mede de verdade
一文ですべてが収まる。この指標は、出発前にビザを取らずに入れる渡航先がいくつあるかを数える。
「ビザ事前申請なし」は三つの状況を含む。
- ビザ不要(ビザフリー):パスポートだけで入れる。追加の書類はいらない。
- 到着ビザ:到着空港のカウンターで、その場でビザを買うか受け取る。
- eTA/簡易な電子認証:オンラインで短い申請フォームを記入するだけ。米国のESTAやカナダのeTAのようなもので、それで済む。
渡航先が領事館に出向き、書類を提出し、面接を受け、数週間から数カ月待つことを要求するなら、その渡航先はカウントされない。指標上、あなたのパスポートの有利には働かない。
計算は単純だ。各パスポートについて、評価対象の227の渡航先のうち、この三つの簡易アクセスのどれかに当てはまる数を合算する。その合計が「スコア」だ。多ければ多いほどランキングは上がる。
この指標が測らないもの。これが決定的に重要だ。
- 入国審査で通過できるかは測らない。ビザなしアクセスは入国を試みる許可であって、入国の保証ではない。
- 国の生活の質、所得、安全、幸福度は測らない。
- どこかに住む権利、働く権利は測らない。ビザなしの観光は一つのこと。居住はまったく別の銀河系の話だ。
- 課税も、市民と自国政府の関係も測らない。
これを覚えておいてほしい。誤読の半分はここで死ぬ。
O top 10 de 2026: Singapura na frente, Europa em peso
2026年のランキングはここ数年のパターンを保っている。豊かなアジアが西欧と表彰台を分け合い、古典的なアングロサクソン勢が後れを取った。
| 順位 | パスポート | ビザ事前申請なしの渡航先(概算) |
|---|---|---|
| 1位 | シンガポール | 約195 |
| 2位 | 日本 | 約193 |
| 3位 | 韓国、ドイツ、イタリア、スペイン | 約191 |
| 4位 | フランス、フィンランド、オーストリア、ルクセンブルク、スウェーデン、アイルランド | 約190 |
| 5位 | デンマーク、オランダ、ポルトガル、ベルギー、ノルウェー、ニュージーランド、スイス | 約189 |
| 6位 | 英国、オーストラリア、ギリシャ | 約188 |
| 7位 | カナダ、ハンガリー、ポーランド、マルタ | 約187 |
| 8位 | 米国、エストニア、リトアニア、チェコ | 約186 |
| 9位 | スロベニア、ラトビア | 約185 |
| 10位 | アイスランド、スロバキア、クロアチア | 約184 |
数字は更新のたびに数ポイント動く。ヘンリーは年間を通じて指標を見直しており、同点は珍しくない。多くの欧州諸国はシェンゲン圏とEUの集団協定のおかげで、ほぼ同一のアクセスを持つからだ。
二つの事実が際立つ。
シンガポールは静かなサクセスストーリーだ。 都市国家で、石油もなく、植民地帝国もなかった。攻めの通商外交、二国間協定、そして「入国審査で手間をかけない国民」という評判を土台にグローバルなアクセスを築き上げた。今や国境を越えるのに世界で最も便利な書類を手にしている。
米国は急落した。 2014年、米国のパスポートは英国と並んで世界1位だった。2026年には8位前後に現れ、ヘンリー自身の分析の中には、史上初めてトップ10から外れる恐れがあると示唆するものもある。理由は技術的だ。他の国々がより多くの新しい協定を結び、相互主義の関係(あなたを入れる代わりに私を入れて、という取り決め)が複数の相手国との間で冷え込んだ。米国のパスポートが悪くなったのではない。他がより速く良くなったのだ。
日本のパスポートはどこに位置するのか
ここが日本の読者が知りたい部分だ。私たちの書類は世界でも最上位クラスにある。最強かどうかはランキングの揺れ次第だが、いずれにせよ地球で最も移動しやすいパスポートの一つであることは揺るがない。
2026年、日本のパスポートはヘンリー・インデックスで2位前後に位置し(更新と同点状況によって順位は前後する)、190近い渡航先をビザ事前申請なしで開放する。比較のために言えば、この位置は日本を次のように置く。
- シンガポールのすぐ後ろ。首位とは数渡航先の差しかない、ほぼ並走の関係だ。
- 西欧、韓国、米国、カナダと肩を並べる最上位の集団の中。
- 中南米、東南アジア、中東の大半よりはるかに前。これらの地域のパスポートはビザ事前申請なしの渡航先が日本より大幅に少ない。
日本のパスポートが面倒なく開放するもの。
- シェンゲン圏の欧州全域に最大90日(事前の電子渡航認証**ETIAS**の運用開始後も、これは領事ビザではなく簡単な登録にとどまる)。
- 英国、米国(ESTA)、カナダ(eTA)、オーストラリア(電子ビザ)、そしてアジアの観光地の大半(タイ、インドネシア、UAE)、アフリカのかなりの部分、中南米とカリブ海のほぼ全域。
日本のパスポートでもひと手間かかるところ。
- 中国:一定の短期滞在で査証免除の措置が出ているが、措置は変わるので渡航前に必ず最新の要件を確認すること。ビジネスや長期滞在は依然としてビザが必要だ。
- ロシア:原則としてビザが必要で、近年は手続きが煩雑化している。
- インド:電子ビザ(e-Visa)の事前取得が必要だ。完全なビザ不要ではない。
- 一部のアフリカ・中東諸国:到着ビザや事前のe-Visaが必要な国が残る。
まとめると、日本のパスポートは世界のほぼどこでも観光に強く、躓くのは限られた一部の渡航先だけだ。多くの旅行者が憧れる目的地のほとんどに、計画した木曜日の二日後には飛び立てる。
O passaporte português: a chave da Europa
日本人の中には欧州移住や二重国籍を視野に入れる人も増えている。だからこそ、ポルトガルのパスポートがなぜ地球上で最も切望される賞品の一つなのかを理解する価値がある。
2026年のランキングで、ポルトガルは世界トップ5にしっかり食い込み、約190の渡航先をビザ事前申請なしで開放する。だがヘンリー・インデックスの数字は二の次だ。ポルトガルのパスポートを人生を変えるものにしているのは、観光目的地の数ではない。そこに埋め込まれた欧州連合(EU)の市民権だ。
ポルトガルのパスポートを持つことは、こういう意味になる。
- 27のEU加盟国のどこでも、住み、働き、学ぶ権利。ビザも、スポンサーも、割当枠もいらない。リスボンからベルリンへ、アムステルダムからローマへ。実務上のあらゆる面で、あなたは現地市民だ。
- 英国へのアクセス、そして欧州人に赤絨毯を敷く数十カ国での優遇待遇。
- 日本のパスポートが持つ機動性に、EU圏内の定住権という別次元の価値が上乗せされる。観光で入れることと、そこに根を下ろせることは天と地ほど違う。
だからこそ、欧州にルーツを持つ人々によるポルトガル市民権の取得競争は激しい。二つのパスポートを持つ見栄のためではない。欧州で暮らす権利と、領事館を経由せずに自由に動く権利を手に入れるためだ。
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Como "subir de passaporte" de verdade (sem golpe)
「パスポートを乗り換える」のは一つの産業になった。真面目な業者もいれば、いかさま師も大勢いる。合法で現実的な道は三つある。それ以外はすべて詐欺だと思っていい。
1. 血統による市民権(jus sanguinis、血統主義)
最も安く、最も一般的な道だ。祖父母、曽祖父母、高祖父母が血統で市民権を認める国の出身なら、その国のパスポートの権利がある可能性がある。日本では純血統のケースは限られるが、国際結婚や移民の家系を持つ人には現実的な選択肢になる。
- イタリア:多くの場合、世代の制限なく血統を認める(規則は変わり続けているので、その年の現行規定を確認すること)。
- ポルトガル:孫の代まで、特定の規則のもとで。婚姻や居住を経由する道もある。
- スペイン:「民主的記憶法」がスペイン人の孫に門戸を開いた。
- ドイツ、ポーランドほか:それぞれ独自の規則がある。
現実的な費用は、書類、公証翻訳、代行業者(任意)、各種手数料を含めて数十万円から数百万円。期間は国と領事館の待ち行列によって1年から5年。煩雑で時間はかかるが、他の道に比べてほぼ「無料」で第二のパスポートを得られる唯一の道だ。
2. 居住期間による帰化
ある国に合法的にX年住み、要件(言語、所得、無犯罪)を満たして市民権を申請する。ポルトガルはおよそ5年の合法居住を求める。他国は3年から10年まで幅がある。これは実際に移住する人の道だ。日本を離れずに書類だけ欲しい人には向かない。
3. 投資による市民権(ゴールデン・パスポート)
国に投資して市民権を買う。よく知られているのは次の通り。
- カリブ海(アンティグア・バーブーダ、ドミニカ、グレナダ、セントクリストファー・ネービス、セントルシア):寄付か不動産で約10万ドルから25万ドルから。シェンゲン圏と英国にビザなしで入れる、そこそこ強いパスポートが手に入る。
- マルタ:プログラム界の「ロールス・ロイス」。本物のEU市民権だが、70万ユーロ超かかり、事前の居住が必要だ。EU自身からの規制圧力にさらされている。
- その他(トルコ、エジプト、バヌアツ):価格と強さは大きく異なる。
投資による市民権は合法だが、大きな金額が動き、規制リスクもある。EUは「パスポート販売」への包囲網を狭めている。万人向けではないし、「2万ドルで欧州パスポート」と謳う者は詐欺を売っている。
道ではないもの:偽造パスポートの購入、法的根拠のない「即日市民権」、足を踏み入れたこともない国の書類をテレグラムの仲介人が売りつけるもの。これは犯罪で、収監と入国禁止につながり、世界中のあらゆる入国管理システムであなたを焼く。
Os índices rivais: por que os rankings divergem
ヘンリーは最も有名だが、唯一ではない。競合は数え方が異なり、それがある場所で「UAEが1位」、別の場所で「シンガポールが1位」と目にする理由を説明する。
アートン・キャピタル — パスポート・インデックス
アートン・キャピタルのパスポート・インデックスは独自の方法論を使い、到着ビザに寛大な傾向がある。だからこのランキングでは、**アラブ首長国連邦(UAE)**が首位かその近くに現れることが多い。UAEはこの10年で膨大な数の到着ビザ協定を結んだ。見た目はきれいなインタラクティブ指標で、報道でよく使われる。
ノマド・パスポート・インデックス
コンサルティング会社ノマド・キャピタリストのノマド・パスポート・インデックスは、すべての中で最も毛色が違う。移動の自由だけを測らない。五つの要素を重みづけする。渡航の自由(移動性)、課税(国外居住の市民にどれだけ課税するか)、パスポートの評判・印象、二重国籍の可能性、そして個人の自由だ。
結果として、低税率と良好な評判を持つ小国がこのランキングで大きく上昇する一方、世界中の市民に課税する大国は大きく下がる。典型例が米国で、どこに住んでいようと市民権ベースで課税するため、ノマドでは米国のパスポートはヘンリーよりずっと下に沈む。
教訓はこうだ。「これぞ決定版」というランキングは存在しない。あるのは、あなたが立てている問いだ。「ビザなしで何カ国に行けるか?」ならヘンリーかアートンを見る。「税金まで含めて、人生の総合的な自由を最も与えてくれるパスポートはどれか?」ならノマドを見る。別々の問いなのだ。
O que "passaporte forte" muda na prática pro viajante
国民的な誇りを抜きにして、ランキング上位のパスポートは旅の日常で実際あなたに何をしてくれるのか。
大きく変わること。
- 直前の決断。 強いパスポートなら、木曜に「土曜に欧州へ行く」と決められる。チケットを買って飛ぶ。弱いパスポートなら、同じ計画に数週間の領事館通いが要る。衝動的な旅は死ぬ。
- 隠れたコスト。 領事ビザは一件ごとに、お金(手数料)、時間(行列)、ときには領事館まで行くためだけの国内移動を奪う。強いパスポートは大半の渡航先でこのコストをゼロにする。
- 乗り継ぎとトランジット。 一部の乗り継ぎ空港は、特定の国籍にトランジットビザを要求する。強いパスポートはたいてい免除される。
- リモートワークとノマド生活。 旅をしながら働く人は、摩擦なく国を出入りできることに依存する。ここでは強いパスポートはインフラそのものだ。
思うほど変わらないこと。
- 入国を保証しない。 何度でも言う。これが誤解の第一位だ。ビザ事前申請なしは入国を試みる許可であって、自動のスタンプではない。国境の入国審査官は依然としてあなたを拒否し、送り返し、質問できる。ESTAを持つ米国人が欧州で止められた例があり、書類が完璧な旅行者でも拒否された例がある。
- 住む権利を与えない。 シェンゲンの観光90日はあくまで90日のままだ。強いパスポートが居住権に化けることはない。混同する人は不法滞在に陥る。
- 観光滞在の期間を変えない。 強かろうと弱かろうと、観光は観光だ。大半の場所で、同じ30日、60日、90日だ。
要するに、強いパスポートは利便性と移動の自由であって、万能の市民権でも、フリーパスでもない。
Os erros de interpretação mais comuns
ヘンリー・インデックスは単純なのに、ほとんど誰も正しく読めていない。繰り返される躓きはこれだ。
「強いパスポート=豊かで安全な国」。 違う。指標が測るのは移動に関する外交協定であって、GDPでも治安でもない。中所得国に強いパスポートがあり、超富裕国に並みの移動性があることもある。
「トップクラスにいるから、どこでもビザなしで入れる」。 違う。ランキングは渡航先を全体として合算する。各渡航先には独自の規則があり、ランキング上の位置とは無関係に、中国やインドのように事前手続きを要求する国は残る。常に特定の渡航先を見ること。全体の数字ではなく。
「ビザなし=入国保証」。 上で解体済みだ。ビザ事前申請なしは、前倒しの官僚手続きがないというだけ。国境の入国管理は主権事項だ。
「ランキングは変わらない」。 更新のたびに変わる。米国と英国は2014年に頂点で、その後落ちた。UAEは一気に何十も順位を上げた。中国も大きく上昇した。これは動く肖像画だ。
「最強のパスポートが自分にとって最良」。 何を求めるかによる。すでに最上位のパスポートを持つ日本人にとって、手に入れる価値が最も高いのはシンガポールのパスポート(取得不可能)ではなく、しばしば欧州の定住権を伴う第二のパスポート、つまり訪れるためではなく住むために欧州全体を開く書類だ。
「第二のパスポート取得は簡単・即時」。 違う。血統は何年もかかる。投資は高くつく。速くて安いと約束する者は詐欺を売っている。
Como checar a posição atualizada do seu passaporte
ランキングは年間を通じて変わる。使い回しの見出しに頼らず、最新の数字を見るには次を使う。
- henleyglobal.com(パスポート・インデックスのセクション):一次情報源。インタラクティブな地図と2006年からの履歴がある。日本をクリックして、開放されている渡航先の正確なリストを見られる。
- passportindex.org(アートン・キャピタル):見やすいインタラクティブ版。二つのパスポートを並べて比較するのに最適だ。
- nomadcapitalist.com(ノマド・パスポート・インデックス):観光だけでなく、課税や人生戦略を考える人向け。
- 必ず特定の渡航先を確認すること。チケットを買う前に、目的国の領事館か政府の公式サイトで確認する。規則は一夜で変わり、暫定的な査証免除は失効する。
指標は羅針盤であって、道路地図ではない。あなたの書類の強さの大まかな方向を指し示す。具体的な旅一つひとつについて、最終決定は常にあなたが訪れる国の側にある。
O retrato de 2026, em uma frase
シンガポールと日本が、移動性が地政学的な資産になった世界を率い、欧州はブロックとして頂点を行進し、米国は支配していた表彰台から滑り落ちた。日本は最上位の常連であり続け、世界のほぼすべてに強く、躓くのはごく一部の渡航先だけだ。だが本当に強いのは数字ではない。観光の機動性の上に、欧州の定住権というもう一段の自由を重ねたいなら、答えはランキングに文句を言うことではなく、血統や居住という合法の扉を一つずつ確かめることにある。
Key points
Frequently asked questions
2026年、シンガポールがヘンリー・パスポート・インデックスを率い、約195の渡航先にビザ事前申請なしで入れる。日本はそのすぐ後ろにつけ、欧州の多くの国々(ドイツ、イタリア、スペイン、フランスほか)が続く順位を分け合う。EUの集団協定のおかげで、上位では同点が珍しくない。
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Curadoria Voyspark
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